PLCとマイコンの違いを解説

PLCとマイコンの違いを解説します!

自動車や食品工場の生産設備ではPLCが主流だけど、半導体の製造装置ではマイコンが主流だね!
PLCとマイコンの違いってどんなモノがあるかな?

マイコンの特徴を踏まえたPLCのメリット・デメリット
PLCの特徴を踏まえたPLCのメリット・デメリットを説明していくね!

この記事で分かること

  • PLCの特徴が分かる
  • マイコンの特徴が分かる
  • PLCとマイコンの違いが分かる
目次

PLCの特徴

PLCはプログラマブルロジックコントローラの略で、プログラムで定められた順序や条件などに従って設備や機械の動きを制御する機器です。
PLCは自動車や食品工場の生産設備などの大規模な設備を始め、エレベータ、信号機、遊園地のアトラクションなど身近な設備の制御に使われている制御機器です。スイッチやセンサ、サーボモータやソレノイドなどの複数の入力デバイスと接続し、意図通りの動作を実現するために利用される点に特徴があります。
また、生産設備で利用される背景には、耐環境性、メンテナンス性、安定性、大量の入出力機器の接続への対応など、生産設備に必要な要件を満足することを前提に、開発された装置であることが挙げられます。近年、生産現場のデジタル化ニーズが拡大していますが、PLCはその一端としても重要な役割を担っています。

ソフトウェア観点

メリット

PLCのソフトウェア開発では、IEC61131-3規格に基づいたPLC言語が使われます。PLC言語の中には、ラダー言語ST言語などがあります。国内で主流のラダー言語は、リレーシーケンス処理と同じ記述のため、リレーシーケンス処理が得意な人や高級言語に馴染みがない人にとっては、とっつき易く、実際のプログラムがどう動くかのイメージがしやすいです。

C言語やJava、Pythonとかの高級言語に馴染みがある人にとってはなかなかとっつきにくそうだよね!
最近のエンジニアは大学で高級言語を学ぶことが多いから、ラダーに慣れるには時間かかりそう。。

自分もPythonやC言語を大学時代に学んできたけど、ラダーに慣れるのはちょっと時間かかったね!
高級言語に馴染みのある人はST言語の方がとっつき易いと思うよ!

ラダー言語とST言語の使い分けとかあるの?

ラダー言語はシーケンス処理の記述で使って
ST言語は計算処理やFor文などの繰り返し処理に使うなどの使い分けをするとプログラムが見やすくなるね!

デメリット

一方で、PLC言語は大規模なプログラミングにはやや不向きな点はデメリットと言えます。また、PLC言語は大学や高専などで学習する言語に含まれないため、C言語などと比較すると習得しているエンジニアが少ない点で、開発上デメリットとなることがあります。最近ではC言語に対応したPLCも登場していますが、高性能な反面、価格帯はやや高めに設定されています。

PLCで行列演算などの高度な計算はできるのかな?

基本的に、高度な計算はラダー言語やST言語ではできないので、そこはマイコンの得意とする領域かな!

ハードウェア観点

メリット

PLCは通常、ユニットとよばれる単位で、I/O(Input/Output、入出力)の選択・拡張が可能で、つなげたい周辺機器に応じてユニットを選択して利用します。またPLCは制御盤のキャビネット内に設置されるのが一般的です。このようにPLCはある程度想定された用途に特化して、周辺機器とのI/Oや耐環境性能などをあらかじめ備えている点がマイコンとの大きな違いであり、またメリットであるといえます。

耐環境のPLCってどんなモノなのかな?

PLCは劣悪な環境で使われることも多いから、基板や部品にコーティング処理をしているんだよ!アンモニアや塩化水素などの腐食性ガスからPLC内の基板や部品を守っているだ!

デメリット

マイコンは、耐環境性能などは個別に考慮が必要ですが、周辺回路と組み合わせて自由にスペースや配線を設計できる柔軟性に優れています。一方でPLCは形状や利用できるユニットに制約が生じる点がデメリットであると言えます。

マイコンの特徴

マイコンはマイクロコンピュータの略で、小さなコンピュータシステムを1つのチップに統合した電子デバイスです。チップには中央処理装置(CPU)、メモリ、入出力ポート、タイマー、クロック発振器などが含まれており、プログラムを実行して制御や処理を行う能力を持ちます。主に組み込みシステムや電子機器、センサー、アクチュエータなどの制御に使用されます。

ソフトウェア観点

メリット

マイコンのソフトウェア開発では、C言語やPython、Matlabなどの高級言語を柔軟に使えることがメリットです。大学時代に高級言語を扱っている人にとってはPLCのラダー言語よりとっつき易い傾向にあります。例えば、高級言語で処理できることから高速な行列演算処理などの高度な計算はPLCよりも得意としています。

デメリット

リアルタイム制御が可能なマイコンも一部ありますが、一定周期でプログラムを実行し続けるのは苦手で負荷により処理時間が伸びたりします。また、OSアップデートの対応やセキュリティ対策の実装を個別に行う必要があるのもデメリットと言えます。一方で、PLCはOSアップデートを気にする必要がなく、セキュリティ対策も実装することなく対応できるものもあります。

ハードウェア観点

メリット

マイコンはコンパクトで軽量なため、限られたスペースに組み込む必要がある場合はメリットを出せます。また、マイコンにデバイスやセンサーを追加して機能を柔軟に拡張できるため、特定のアプリケーションに合わせてカスタマイズできるメリットがあります。

デメリット

マイコンは機能をカスタマイズできる一方で、規格や基準に準拠するための設計や開発が必要です。昨今、設計や開発期間がシビアになってきており、その都度設計や開発をするのは大きなデメリットとなります。また、マイコンが装置や製品に内蔵されている場合、故障時や更新時の交換が容易でないのもデメリットと言えます。

PLCとマイコンの比較

以上、PLCとマイコンの特徴を述べましたが、以下が両者の比較になります。

項目PLCマイコン
シーケンス処理
簡単な計算処理
高度な計算処理×
リアルタイム性
定周期性
ハード単価
ハードサイズ
拡張性
柔軟性
保守性
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この記事を書いた人

ただのサラリーマン | PLC | 画像 | ロボット | 製造業のノウハウを発信しています |

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